広報「やまゆり」第98号

 あのうだるような夏の暑さの中で、今年は秋が来るのだろうかと心配しましたが、神様はちょっと短めの秋と冬もちゃんと準備されていたようです。そして、気がつけばもうクリスマスと年の瀬。皆様にはいかがな一年でしたでしょうか。
 10月に開催された熊本地区「大人のための研修会」で講師が「聖書は読むものというよりまず聴くものです」と強調されていました。
 そのためか、「聖書は読まなくてもいいんですか」といった声が。講師の話の趣旨を取り違えてしまわれたようです。そういえば、週報で私も、聖書を聴くことの大切さを話したら、「聖書を読むことを軽視しているのでは」と受け取られた方も何人かおられたようです。 
講師も私も決して聖書を読むことを軽視しているわけではありません。強調したかったことは「ミサにおいては、聖書はとくに聴くことを大切にしてほしい」ということです。今自分の目の前で、旧約の預言者や主イエスとその弟子たちが語っているかのように耳を傾けることです。旧約聖書や新約聖書の記者(著者)の代わりに聖書が読まれるわけですから。それはちょうど、家族に来た手紙を父親や母親がみんなのために読んで聞かせているようなものです。一字一句聞き漏らさないようにと手紙の文言に聞き入っている姿は美しいものです。聖書の朗読者はそのことにも留意しましょう。
 もちろん、ミサのときに、耳が不自由な方が聖書を文字で読めることは素晴らしいことです。神の言葉である聖書の文字を丁寧に読んでおられる方にも原始・初代教会の信仰者の証言が眼前に生き生きと浮かび上がりますように。
2024年が皆様にとって素晴らしい一年となりますように祈ります。
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