広報「やまゆり」第89号

主のご降誕

健軍教会 渡辺 隆義主任司祭

主のご降誕 おめでとうございます。
イエス様にとって何回目の誕生祝いでしょうか。毎年の恒例行事とはいいながら、なんとなく嬉しい気分の今日この頃です。それにしても、コロナ過のただ中、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。「どなたでも、主の降誕のミサにいらしてください」とも書けず困惑しています。
近頃、主のご降誕のお祝いがだんだん世俗化しているなと感じるのは私だけでしょうか。サンタクロースが主役で幼子イエス様とご両親は脇役といった様相です。そしてキリスト者もこの社会の大きな波に飲み込まれてしまっているのではないかと危惧しています。
その昔まだ子どもの頃、カトリック教会では「ご降誕」「降誕祭」という言い方が一般的でした。日本では「クリスマス」という英語の言い方が使われだすようになってからキリスト教色が薄れ、サンタクロースという人物を主役に仕立てることによって「イエス様の誕生」という宗教色を一掃することに商業主義は成功したように見受けます。
待降節はイエス様を身ごもった聖母マリアや聖ヨゼフと一緒に旅をする時です。旅をするといろんな人に出会います。通りすがりの人がほとんどでしょう。でもこの通りすがりの人たちとの心の交流こそ待降節の真骨頂です。貧しい人との出会い、病める人との出会い、社会から疎外されて生きている人との出会い。そんな出会いの旅でマリアとヨセフはどんな対応するのでしょうか。注意深く黙想し、見習いましょう。
「私たちのために救い主がお生まれになった」。さて、今年はどこでお生まれになるのだろう。楽しみです。そんなワクワクした喜びのうちに毎日を過ごしましょう。
来る年が神様の祝福で満たされますようにお祈りいたします。

主の降誕おめでとうございます

崎津教会・大江教会・本渡教会 浦川 務主任司祭
健軍教会の信徒の皆様、いかがお過ごしでしょうか。懐かしい皆様のもとを離れ、8ヶ月が過ぎようとしています。離任の折には感染症のために、皆様には十分なご挨拶もできず申し訳なく思っていました。今回、「やまゆり」への寄稿を依頼され、戸惑いながら感謝の気持ちを伝える機会をいただいたと思い感謝しています。
健軍での6年間は瞬く間にすぎてしまいました。甚大な被害をもたらした熊本大震災をはじめ様々な思い出がありますが、その中でも特に皆様に対して申し訳ないこととして、さゆり園の閉園があります。さゆり園は、50年以上の歴史があり、諸先輩方が心血を注いで育て、守り継いだ園であり、健軍教会の皆様にとって使徒職活動の一つとして支援してくださっていた宝物のような存在でした。閉園当時、皆様の中では様々な思いが交錯されたことでしょう。私は、皆様が無念な気持ちを押し殺して受け止めて下さり最後まで協力してくださったことに申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、天草の地はかつてお世話になった五島や外海の地に雰囲気が似ていて、夕方に海岸線を車で走ると20代の頃に時間が戻ったような錯覚に襲われます。
大江教会と崎津教会は、特に観光でみえる方が多く、はじめは驚きましたが、現在はそれが日常になりました。時代の流れはここも例外ではなく、過疎化の波を大きく受け、ご年配の方が多く、特に今は感染症の事が心配です。教会の活動が十分にできないで少し残念に思っています。特に、ご自宅や病院、施設の訪問ができず、病者の秘跡などが出来ないままに、お見送りすることがあり残念です。
来年は感染症も終息し、皆様にとって恵みの多い年になりますように、お祈りいたします。こちらにおいでの際は、ぜひお声がけください。皆様の懐かしいお顔を見られることを楽しみにしています。

追伸
お立ち寄りの際には事前にご一報をおねがいします。大江、崎津、本渡教会をかけ持ちですので、移動することが多く、せっかくおいでになったのにお会いできなかったら残念ですから。
電話:070(5412)3293
大江教会のイルミネーション
馬小屋

教皇フランシスコ、「ヨセフ年」を宣言 2020年12月8日~2021年12月8日

2020年12月8日 日本カトリック中央協議会Websiteより
教皇フランシスコは12月8日、聖ヨセフがカトリック教会の保護者として宣言されてから150年を迎えるにあたって、2020年12月8日から2021年12月8日を「ヨセフ年」とすることを宣言しました。


教皇は同日、使徒的書簡「パトリス・コルデ」(父親の心で)を発表し、イエスの養父としての聖ヨセフの優しさやあふれる愛、神からの召命への従順さ、父親としてあらゆることを受容し、創造性をもって行動した勇気、質素な労働者としての姿、目立つことがなかった生き方に触れています。聖ヨセフは「執り成しの人、苦難の時に支え、導いてくれる人」だと教皇は記しています。
使徒的書簡は福者ピオ9世教皇が1870年12月8日に聖ヨセフを「カトリック教会の保護者」と宣言してから150年を記念して発表されました。教皇フランシスコは使徒的書簡で、新型コロナウイルスのパンデミックが続く中で、聖ヨセフが示してくれているのは、日々の困難を耐え忍び、希望を示しているが、決して目立つことのない「普通の人々」の大切さだと強調しています。

「僕の戦争体験」について 講話

井手 文弥

今年九月のこと、渡辺神父様から熊本信愛女学院中学校(一年生)で神父様が担当されている宗教の時間に「戦争体験について話をしませんか」と勧められ、僕は面白そうなのでその場で「いいですよ」と引き受けた。
始めて入る信愛中学校では、受付の女性に案内された。さすがに女学校らしく廊下、教室はきれいに掃き清められていた。
僕は2クラスに講話をしたが、生徒は真剣な眼差しでノートをとり終業時には全校での祈りの黙祷があった。
講話は、最初に大東亜戦争は昭和16年12月8日、日本のハワイ真珠湾攻撃から始まったことを話したうえ、その頃僕が幼稚園で習った「水兵さん」の歌を唱った。会場が和んだ。
戦争が劣勢となり毎日の米軍艦載機グラマンの空襲が激しくなったので我家は台北から63km離れた平林(ヘイリン)の山奥に疎開したことから話し始めた。


そこには、台湾人の子供の平林公学校があり母は僕と妹をそこに入れた。授業は全て日本語で台湾人の教育水準の高さに驚いた。それから一年後終戦を迎え、台北の我家に帰った。
台北の街は、あちこちに爆撃の跡があったが、中心の台湾総督府(現在の総統府)の塔の根本に一万トンの爆弾が投下され大きくえぐられていた。しかし市内は平静で暴動もなく、街で買物や食事をすることができた。
次に内地への引揚げの話をした。
終戦の翌年、近隣組合の住民(500人)と共に私たち家族九人は台北駅まで歩き、そこから基隆(キールン)駅まで貨物列車に乗せられた。港まで中国兵が銃剣を構える中を歩き、港の倉庫で所持品の検査があった。一時間後、米国の貨物船に乗船、船倉の空気は薄く、大海はドス暗く大きくうねっていた。数日かけてようやく広島の大竹港に上陸、初めて見る桜は満開であった。
敗戦の混乱の時代、窓から乗る者がいたり通路も動けない満員状態の列車に乗り、原爆被災地長崎の土を踏んだ。その前に社用で長崎の浦上の親戚宅にいた父(45歳)は、原爆でその家族と共に死亡していた。内地は台湾と気候風土が違うためか、私たち兄妹は手足にできた「疥癬」(かいせん)というでき物で大変苦労した。それから数年間は食料・住宅難の生活であったが、これまで生きてこられたのは、長兄が神学生だったからではなかろうか。多くの神父様、長崎出身の神学生の家族から「担げるだけ持っていかんね」と食物を分けて下さり、私たち家族を救って下さった。\r\n終業のベルが鳴った。戦争を知らない生徒たちに僕が体験した戦争の悲惨さ、虚しさを理解してもらえただろうか。\r\n後日、渡辺神父様から生徒たちの感想文を頂いた。生徒の両親は若いため、戦争について初めて聞いたいう生徒も結構いたが、かなり理解しており、僕の体験談も無駄ではなかったと安堵した次第である。(完)

レジオ・マリエ 3000回記念集会を迎えて

レジオ・マリエ 小笠原 直子

レジオの集会は1959年5月10日に発足しています。
それから61年間を経て、3000回を2020年11月21日(土)に迎えました。

レジオ・マリエの精神は、聖母マリアの精神に寄るものです。
マリアさまの思い、それは、イエスさまの思いに合せられた、
イエスさまが行われたように歩むことでした。
(神父さまのことばから)

レジオが61年もの間長く続いたものは何だったのだろうかと思います。

一つは、霊的指導をされた神父様方の支え、信仰によって導かれたことは大きいものだったと思います。
また、会員一人一人が活動する中で、難しいことにも物事を乗り越えた時の心に湧き上がる喜びを感じて行かれたのではないかと思います。先輩方の歩みを思い、感謝と敬意を捧げたいと思います。
レジオ・マリエは活動会員とレジオの活動を祈りで支えて頂いている賛助会員で成り立っています。
現在、活動会員4名、賛助会員3名で行っています。\r\n次世代に繋げてゆくためにも今私たちはもう一度心をひき締めて頑張らなければと思います。
レジオに興味がある方はどうぞ集会室を尋ねて見学されてください。お待ちしております。毎週土曜日10:30から行っています。
【健軍教会レジオ・マリエのあゆみ】

堅信式に向けて

健軍教会 教会学校

2020年10月より一カ月に1回、神父様のご指導の下、1時間程度、堅信式に向けて勉強会を行っています。中学生2名、高校生2名の計4名参加しており、大変和やかな雰囲気且つ堅信を授かる準備ということで、一生懸命学んでおります。
2021年3月21日、四旬節第5主日に健軍教会においてアベイヤ司教様より堅信のお恵みを授かります。今回、子供達より堅信式の感想と意気込みを紹介させていただきます。
一カ月に1回、1時間程度の勉強会に参加しています。日頃、学校で勉強しているような内容や雰囲気とは違い、キリスト教信者としてより深く、想像力を働かせながらキリスト教について学ぶことができています。

お知らせ

クリスマスミサにおける教会の対応について
11月6日、アベイヤ司教様からクリスマスをむかえるためのコロナウイルス対策について、教区民へ注意事項が示されました。
1.健軍教会としても次の事に注意してクリスマスを迎えましょう。
  ・ミサの参加制限は行いませんが、体調に不安をお持ちの方は自宅でお祈りしてください。
  ・ミサ参加者の記録を残し、クラスター対策とします。このため12月24日、25日の両日のミサに参加される方はミサ参加票に所定の事項を記入し、聖堂入口に備え付けた箱にご提出ください、
  ・座席に貼ってある×印の箇所には座らず座席の間隔を取りましょう。
  ・聖堂入退場時は入口に設置している消毒液で手指を消毒してください。
熊本市内等でも感染者が増えている状況です。皆様十分お気を付けください。
2.「聖書と典礼」について
ミサで各自が使われた「聖書と典礼」は各自お持ち帰りください。聖書と典礼には「今週の聖書朗読」が記載されていますのでご家庭での日々のお祈りにも活用できます。なお、「聖書と典礼」は11月より全て大判のものを使用することにしました。

(編集後記)

主のご降誕、おめでとうございます。コロナ禍、豪雨災害と心が痛む様々な困難のあった一年でしたので、主のご降誕の喜びは皆さまひとしおだと思います。
今回の「やまゆり」は渡辺神父様、浦川神父様の両神父様からご寄稿頂いた豪華版です。モノクロの印刷では残念ながら浦川神父様から頂いた綺麗な写真を十分味わうことが出来ませんのでぜひカラーのWeb版「やまゆり」でご鑑賞下さい。
主の平和。

野々目 洋