「やまゆり92号」が発行されました

マスクの霊性?

健軍教会 渡辺 隆義 主任司祭

いつになったら解放されるのやら、マスク生活から。マスクには何の罪もないのに、つい愚痴のひとつも言いたくなります。2021年のはじめに、新型コロナのために1年間ずっといろんな困難を強いられると、どれくらいの人が予測できただろうか。来年の今頃はどんな状況になっているのだろう。
そんなことを考えていたら、「マスクの霊性」みたいなものがふと脳裏に浮かびました。コロナ禍でのマスクはまず、ウイルスから自分の身を守るため。このウイルスを世の罪と置き換えては新型コロナウイルスや変異株に失礼かもしれないけれど。
私たちは、この世の中でさまざまなウイルスつまり罪と関わりながら生きています。ものすごく強力でなかなか根絶が難しいものもあります。付き合って生きる以外に仕方がないものもあります。だからといって、この世の罪に対して無防備であっていいわけではありません。何らかの方法で身を守る必要があります。
もっとやっかいなのは、自分が持っているウイルスの拡散です。自分の心の中に巣くうさまざまな罪のことです(マルコ7:20‐23)。
この自分の内にある罪を他の人に感染させないためにはマスクを何枚か重ねる必要がありそうです。
では、このための有効な「霊的マスク」ってなんでしょうね。
考えてみませんか。
さらに、さまざまな罪というウイルスに効くワクチンも重要です。カトリック的にいえば、それは「秘跡」ということになりそうです。その中でも、特に「ゆるしの秘跡」は効果抜群です。罪のゆるしという治癒のためだけでなく、罪から身を守るそんな効用もあります。
来る2022年。やっかいなウイルス、世の罪に気をつけながらも、小心にならず、有意義な1年にしたいものです。幼子イエスの祝福が皆さんの上にありますように。
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